GA4イベント設定ガイド|事例付き解説

2024年10月4日

本記事では、イベント機能を活用してユーザー行動を効果的に追跡する方法を、具体的な事例を交えながら解説します。データ収集範囲を自由に設定できるイベント機能は、ウェブサイトの分析や改善に役立ちます。自動で収集できるイベントや、独自に設定できるカスタムイベントなど、様々なイベント設定方法を紹介し、ユーザーの行動を可視化することで、ウェブサイトの改善に役立つデータ収集を実現します。
本記事を読めば、イベント機能の設定方法から活用方法まで、すべて理解できます。ぜひ、イベント機能を活用して、ウェブサイトの成功に繋げましょう。

イベント機能:ユーザー行動を追跡しよう!

ウェブサイトやアプリにおけるユーザー行動を詳細に分析するために、イベント機能が強化されました。リンクのクリック、購入完了、システム動作など、様々なインタラクションや発生をイベントとして記録し、定量的なデータとして収集できます。
以前は、カスタムイベントを設定するには、コードの編集やタグマネージャーの利用が必要でしたが、現在はデフォルトで多くのイベントが自動的に計測されるようになっています。ページビュー、スクロール、ダウンロード、ビデオ再生など、一般的なユーザー行動は自動イベントとして収集されます。
さらに、商品の詳細閲覧やカート追加など、ビジネスに特化した独自のイベントを作成することも可能です。これらのイベントは、ユーザー行動の理解を深め、マーケティング戦略の最適化に役立ちます。
例えば、どのチャネルから来たユーザーがどんなイベントを発生させたか、あるいは、どのイベントがコンバージョンに影響したかなどを分析できます。イベントに基づいたレポート作成も容易になり、より詳細なデータ分析が可能になりました。

データ収集範囲を自由に設定

ウェブサイトやアプリなど、複数のデータソースからデータを収集する際に、それぞれのソースを個別に管理できる「データストリーム」機能が新たに導入されました。これにより、ウェブサイトとアプリといった異なるプラットフォームにわたるデータの一元的な計測が可能になります。以前は、ウェブサイトとアプリはそれぞれ別のプロパティとして管理する必要がありましたが、データストリーム機能を利用することで、同じプロパティ内で複数のデータソースを管理し、統合的な分析を行うことができるようになりました。
さらに、デフォルトの検索指標の設定も簡素化されました。従来は、検索指標を設定するために、コード編集やタグマネージャーの利用が必要でした。しかし、データストリーム機能では、データストリームごとに検索指標をオンにするだけで、ウェブサイトやアプリ内で検索されたキーワードや結果数などを分析できるようになります。
データストリームの導入・設定方法については、「」をご覧ください。

自動で収集できるイベント

自動で計測されるイベントは、自動収集イベントと呼ばれ、ユーザーによる設定が不要なものと、管理画面で設定するものの2種類があります。前者は、ページビュー数やクリック数、ダウンロード数など、ウェブサイトやアプリに接続することで自動的に計測される基本的なイベントです。後者は、拡張計測機能イベントと呼ばれ、管理画面でイベントを有効にすることで計測できるようになります。スクロールやビデオ再生率などが、この拡張計測機能イベントに該当します。
自動収集イベントは、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスやユーザー行動を把握する上で、非常に役立ちます。これらの計測は自動的に開始されるため、通常は停止することはできません。しかし、必要に応じて管理画面で無効化することも可能です。

おすすめイベント:効果測定に役立つイベント

Google Analyticsで用意されたイベント名の中から、計測したい内容に合ったイベントを選ぶことは、分析の精度を高める上で非常に重要です。Googleでは、eコマースや教育など、さまざまな業種や目的に特化した推奨イベントを提供しています。これらのイベントは、それぞれの業種や目的に特化した分析に最適化されており、専用のレポートが用意されています。
例えば、eコマースサイトでは、「商品詳細ページの閲覧」、「カートへの追加」、「購入完了」などのイベントを設定することで、ユーザーの購買行動やコンバージョン率を詳細に分析することができます。推奨イベントは、コードやタグマネージャーを使用してサイトに実装する必要があります。
推奨イベントを利用する際は、すでに実装されているイベントと重複しないか確認することが重要です。重複したイベントは、分析結果の精度を低下させる可能性があります。推奨イベントは、ウェブサイトやアプリの業種や目的に応じた分析を効率的に行うための有効な手段です。

独自に設定できるカスタムイベント

ウェブサイトやアプリの分析では、独自の目標やKPIに基づいた分析が重要です。カスタムイベントを活用することで、より詳細な分析が可能になります。カスタムイベントは、コードやタグマネージャーを使って実装する必要があり、イベント名やパラメータを独自に定義する必要があります。
例えば、「お問い合わせフォームの送信」というイベントを「contact_submit」というイベント名で定義し、「お問い合わせ内容」や「お問い合わせ方法」などのパラメータを追加できます。ただし、定義を誤ると適切な計測ができなくなってしまうため、注意が必要です。そのため、カスタムイベントを設定する際は、Googleが提供する標準イベントが自社の目的に合わない場合に限定すると良いでしょう。

自動収集イベントの設定方法

自動で収集されるイベントには、ユーザーが設定する必要のないものと、管理画面で設定する必要があるものがあります。本記事では、管理画面で設定する方法について解説します。
管理画面で設定するには、以下の手順に従います。

・ログイン後、画面左下の歯車マークをクリックし、「管理」タブを開きます。
・「プロパティ」欄の「データストリーム」をクリックします。
・データストリームが表示されたら、拡張計測機能の「設定中」欄の右側にある設定(歯車)マークをクリックします。
・拡張計測機能の設定画面が表示されたら、計測したいイベントにチェックを入れます。
・画面右上の「保存」をクリックします。

これで、自動収集イベントの設定が完了です。

推奨・カスタムイベントの設定方法

推奨イベントやカスタムイベントの設定は、以下の手順で行うことができます。

・「イベント」タブの「イベントを作成」ボタンをクリックします。
・イベントの詳細な設定を行います。イベント名、イベントパラメータ設定、イベント条件など、必要な情報を指定します。パラメータ設定はデフォルトで有効になっているため、多くの場合そのまま使用できます。カスタムイベント名は、大文字と小文字を区別するため、注意が必要です。
・画面右上の「作成」ボタンをクリックします。

これで、推奨イベントまたはカスタムイベントの設定が完了です。

設定したイベントを確認する方法

管理画面の「イベント」セクションでは、これまで計測されたイベントを確認することができます。「既存のイベント」エリアには、自動収集されたイベント、推奨イベント、そしてカスタムイベントが表示されます。「新規イベント」エリアには、最近計測されたイベントが表示されます。イベントレポート画面への反映には時間がかかる場合があるため、数時間後に再度確認することを推奨します。イベントを選択すると、詳細なレポートを見ることができます。例えば、「発生回数」「発生率」「平均値」などの指標や、「デバイス」「チャンネル」「地域」などのセグメントを分析することができます。

スクロール率を計測してユーザーの行動を分析

ウェブサイトのページ内におけるスクロールの進捗状況をパーセンテージで表現したものが、スクロール率です。ページ全体の50%までスクロールした場合は、スクロール率は50%となります。スクロール率を測定することで、ページのコンテンツやレイアウトがユーザーにとって魅力的なのか、あるいはユーザーがどの位置で離脱してしまうのかなどの重要な情報を把握することができます。
ただし、自動収集イベントの一種である「拡張計測機能イベント」では、スクロール率が90%に達したカウントのみが計測されるため、スクロール率を詳細に分析するには、追加の設定が必要です。具体的には、スクロール率を計測するための設定と、スクロール率に基づいた分析を行うための設定が求められます。

イベント機能を活用しよう

Webサイトにイベント機能を実装することで、ユーザーの行動を詳細に追跡し、効果的な改善策を導き出すことができます。データ収集範囲を自由に設定でき、スクロール率など、多様なイベントを自動で収集可能です。イベントデータは、サイトのトラフィック分析やユーザー行動の理解、マーケティング施策の改善に役立ちます。イベント機能を活用して、より効果的なWebサイト運営を実現しましょう。